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工場IoT化をするときの具体的な導入方法|スモールスタートの流れ

工場IoT化イメージ

「工場のIoT化をしてみようと考えているが、何から手を付けていいのか分からないし、そもそも何をすればいいのか分からない。」

「IoTの相談ができる会社の話を聞いてみたけど、導入コストが思ったよりも掛るので、安く導入する方法が無いのか?」

この2つのような悩みがあり、最適なIoTの導入方法を探している方に向けて、推奨する具体的な導入方法を簡単にお伝えさせていただきます。

そもそも工場IoT化とは?

工場IoT化は、「見える化することで可能となる設備制御」が目的となるわけですが、そもそもIoT化は目的を達するために必要なデータを取ることが重要になります。

工場IoT化における取得データは「生産データ」「設備データ」の2種類に大別することができ、それぞれ下記のものがあります。

生産データ系 生産数、不良数とその内容、担当者作業時間、生産時の設備設定/条件や検査結果などの製造情報
設備データ系 設備稼働信号、設備異常信号(+異常内容)、振動/温度センサ

工場IoT化でのデータ取得方法

工場IoT化を進めるうえで、どのようにデータ取得する基本的な流れは、下記の3つに分かれています。

  1. インプット
  2. つなげる
  3. データ収集
種類 方法
インプット
  • センサを追加
  • 入力端末を追加
  • 既存設備のPLCからデータ抜取
つなげる
  • 有線(LAN、RS485、など)
  • 無線(無線Lan、780MHzの周波数帯)
データ収集
  • 管理用PLC
  • Gateway端末
  • 管理用PC
  • サーバ
  • クラウドサーバ

上記はあくまでも一例となるので、どんな現場で、どんなことを重視したいかによって、どんなデータを集めたほうが良いのかが変わってきます。

その結果、最適な構成が決まってくるので、それぞれの工場により導入する設備はデータの集め方が異なります。

工場IoT化をスモールスタートする場合の導入例

自動車部品の製造工場を例に、工場IoT化のスモールスタートの流れをご説明します。

基本的には下記の流れでスモールスタートを実現させます。

  1. まず設備エラーが多い設備を選ぶ
  2. 選んだ設備の設備エラーの種類をリストアップする
  3. 選んだ設備にセンサーなどを追加してIoT化する
  4. 見える化された設備エラーの状況を分析する
  5. 設備エラーの原因や対処法を考え実施する

これら5つの流れは「導入前」「導入」「導入後」の3つに分かれます。

少し細かく見ていきましょう。

IoTの導入前

iot前

自動車部品の製造工場には数多くの設備がありますが、高頻度で設備エラーが起きている設備がカシメ機でした。

ただ、カシメ機の設備エラーは毎回違い、「ワーク(製品)の配置ズレ」、「部品破損」、「レールの滑りが悪い」、「固定ネジの緩み」、「ガイドやセンサーの位置調整ミス」、「センサの前やエア配線にゴミ詰まり」等など様々な原因で設備エラーが起きていたため予測できず、エラーが出るたびに原因を追求し、対処するといった保全を行っていました。

この保全活動では、エラーが出るたびに原因を見つけては対処をするということをしていたため、ライン停止をする時間と設備エラーの解消をする人員の作業工数が多く掛かっている状態でした。

IoTの導入

そこで、このカシメ機だけIoT化をし、設備エラーごとに違う振動などを検知できるセンサーを設置することで、設備エラーの予知を行い、実際に起きている設備エラーの回数を種類ごとにカウントしておきます。

その結果、実際にこのカシメ機が1日に何回設備エラーが出て、何分止まっていたかが見える化できます。また、これにより1ヶ月の合計をすると、どれくらいの時間設備エラーで止まってしまっていたかがわかります。

実際、この機械の場合は、5秒以上の設備エラーが1ヶ月で30件以上発生し、合計1時間半以上もライン停止していました。

設備エラーがでるたびに、エラーが出る際の設備の動作をみておいたところ、ワークの配置ズレ、ガイドやセンサの位置調整ミス、ゴミ詰まりのトラブルの頻度が高いことが判明しました。

IoTの導入後

iot化後

IoTを導入してから見えてきた設備エラーの回数や原因などを分析することで、ワークやガイド、センサーなどの位置ズレが多く起きていることが分かったので、品番ごとにわかるような目印テープを貼ることと、毎日生産開始時にゴミ詰まりチェック&清掃を行うようにしました。

その結果、カシメ機の設備エラーが6割削減し、ライン停止時間は7割削減させることができました。

このように、設備の種類により、どういったエラーがでて、ラインを停止しているのかが明確に見えるようになってくると、どんな対処をすれば工数削減やリードタイムの縮小ができるようになることが分かります。

工場IoT化をスモールスタートするには

small start image

工場IoT化を行う場合、工場には非常に多くの設備があり、設備エラーの頻度は設備により様々です。

ただ、全ての設備をIoT化するのはイニシャルコストがかかりすぎるため、設備エラーの頻度が高く、工数のかかっている設備をピックアップすることが、工場IoT化の最初のステップです。

コストを掛ければ工場IoT化をするのは簡単ですが、費用対効果が無くてはIoT化する意味がありません。

そのために、まずはボトムネックになっている設備を洗い出し、ピンポイントでピンポイントで工場IoT化をするのが大切です。